2025年の楽天イーグルスとサンディエゴパドレス
今年は楽天よりもパドレスの試合をよく見ていた。メジャーリーグをちゃんと通年で追ったのははじめてだったかもしれない。7, 8月が無職だったため、めっちゃ見れた。今シーズンの感想をつらつらと書きます。
楽天イーグルス
今年の楽天、あんまり見所がなかったので、ササっと書く。
ゴールデンルーキー宗山塁をドラ1で獲得して、シーズン序盤こそ「こいつはモノが違う!」と思ったけど、終わってみればまあまあな成績に落ち着いてしまった。それよりもショートのポディションを奪われた村林が打撃覚醒した方が感動だった。宗山・村林のライバル関係はアツかった。
ただ先発ローテが崩壊、中継ぎもそんなに良くない、外野陣は辰己・小郷が不振、浅村も調子上がらずで、去年までの主力選手が軒並み成績悪かった。去年ダブルエース的に活躍していた早川・藤井の左腕が不調だったのはだいぶ痛かった。
オールスター明けぐらいからは世代交代が進んで、中島・黒川・堀内らが存在感を見せた。そしてボイトの獲得も良かったね。ゴンザレスは最初こそ良かったけど、ちょっとね……三十後半のベテラン勢は今年のパフォーマンスだと、来季の契約どうなるかなというところに来ている。元々選手層が高齢化してたけど、いよいよ世代交代待ったなしだろう。といっても若手が育ってるかというとそれも微妙。
希望の星としては、荘司かな。現地でも見たけど、ストレートがめちゃくちゃ強くなっていて、制球が安定してくれば無双できると思う。あと中継ぎだと西口か。西口は本当にストレートで空振りを異常に取れる。
三木監督は来年も継続みたい。監督云々というか石井体制を刷新して欲しいと思っているが、それはなかなか厳しそう。
てか今年も4位なんだよなあ。毎年CS進出争いしてないか?と思って改めて確認してみたら、なんと2019年から2025年まで3位か4位しか取ってない。

なんやねんこのチーム。「平石の呪い」と言ってもいいだろう。僕の中で3位はBクラスなので、ずっとBクラス。
しかもぶっちぎり最下位は避けてるので、フロントの刷新もないし、かなり終わっている。こういうのを見ると最悪の時期を迎えるっていうのは大事なんだなと気づかされる。
パリーグの順位
そういえば今年、開幕したばかりのときは順位読めると思っていた。
予想と実際の差を比べてみましょう。
【予想】
- Aクラス
- 日ハム
- ロッテ
- A〜Bクラス
- 楽天
- ソフトバンク
- Bクラス
- オリックス
- 西武
【現実】
- ソフトバンク
- 日ハム
- オリックス
- 楽天
- 西武
- ロッテ
まあまず予想外だったのは、ロッテの歴史的な低迷だろう。もともとソト・ポランコがいなくなったら終わりのチームだったけど、今年は二人とも不振で、打線の厚みが全くなかった。西武は2024年の暗黒を考えたらようやってると思ったけど、シーズン終盤は落ちてきた。今井達也は敵チームながら惚れ惚れするピッチングだった。個人的には今の日本で一番好きなピッチャーかも。オリックスもパッとしなかったけど、相対的に3位になった感じ。今年の3〜6位のチームはどこも全然良くなかった。楽天が最後までCS争いに絡んだけど、ファンの俺ですら全然気持ち盛り上がらなかったもんな。
日ハムは良かったな。特に楽天戦に異常に強かった印象。エスコン行って、2日楽天戦見たけど、どっちもいいとこなくボロ負けで最悪だった。エスコン自体はめっちゃ良かった。本当にすばらしい球場。
ソフトバンクは正直何が良かったのかわからない。有原・上沢のグレー移籍したピッチャーがローテちゃんと支えたとかかな。シーズンほとんど近藤・柳田を欠いてたけど、それでも問題ないぐらい選手層が厚い、とかになるのかな結局。打撃成績確認してみたら、牧原・柳町・山川が安定した成績残してて、120〜130試合出てるので、この辺が支えたっぽいね。
しかし終わってみればおもんないシーズンだったなあ。波乱なし。セリーグも阪神。レギュラーシーズンも阪神独走だったしなあ。CSとかも日ハムソフトバンクはちょっともつれたけど、結局ソフトバンク。
パドレスを全体的に
日本は結局ソフトバンクだったけど、アメリカも結局ドジャースだった。
パドレスは正直前半戦の時点で今年は厳しいなと思っていた。けっこー食らいついたな、という印象。シーズンを通して、ドジャースと順位逆転できたタイミングが3回ほどあったと記憶しているが、そこでことごとく勝ちきれなかった。ドジャースが負けたときは一緒に負けて、勝つときも一緒に勝つみたいな。狙ってんのかってぐらい勝敗が一緒だった。
明らかに課題はオフェンスだろう。そして次が先発陣。
あまり良くないチーム状態なのにも関わらず、ポストシーズン進出できたのは、ブルペンがめちゃくちゃ良いというのが最大の武器になった。
モレホン→エストラーダ→アダム→スアレスという盤石の継投で、先発が5回までリード保てれば後は勝てるというのがレギュラーシーズンで勝ちをコツコツ積み重ねられた要因だろう。更にトレードでメイソン・ミラーを獲得して、モレホン→エストラーダ→アダム→ミラー→スアレスというとんでもない勝ち継投が誕生した。先発が4回まで投げればこのリレーでなんとかなる公算。
中継ぎだけ良くて、ランナー出すけど点入らない攻撃を繰り返すのは、まるで楽天イーグルスを見ているかのようだった。
シーズン開幕の怒涛の7連勝でスタートダッシュには成功したが、その後勝率.500モードで推移することになった。特にオールスター前の下位打線の自動アウト感は見ていて絶望を感じた。レフトにウェイド・ロックリッジあたりが入って、キャッチャーはディアズorマルドナード。ディアズはたまに打つけど、それでも基本的には自動アウト。「メジャーの下位打線は9番でも甘い球狙ってブンブン振ってくる」とはなんだったのか。
先発の勝ち頭になったピベッタが嬉しい誤算だったけど、基本的には全選手あんまり突出した活躍はできなかった印象。
個人的に良かったと思うのは、マチャドかなあ。オフェンスに苦しむ中で、マチャドはシーズン通して仕事をしてたと思う。短いスランプはあったけど、シーズン全体で見たら一番安定していたと思う。
ワイルドカードでポストシーズン進出決定のときの暴れっぷりはめちゃくちゃ笑った。ゴーグルに上半身裸で腰にバドワイザーのボトル挿してる画像は本当に笑える。
敗退後の記者へのコメントで、「総括をしろ?俺たちはただ負けたんだ。それだけだよ。総括ってなんだ?もっとマシな質問をしてくれよハハ……」みたいなこと言って、ちょっと問題になってたけど、マチャドっぽいなと思う。普通に良くない態度だけど、まあそういう奴だから……という気持ちで見ていた。
ポストシーズンのカブスとの試合、めちゃくちゃあっさり負けたのは本当に残念だった。ポストシーズンに関してはもう完全にオフェンス。2試合目はダルビッシュ先発。鈴木誠也に内角の球ツーベースにされて、ノーアウト2、3塁にされて、その後デッドボールで無死満塁をつくって降板。でも後を継いだエストラーダが最小失点で抑えて、0-2。まだ全然なんとかなる点差だった。ポストシーズンはタティス・アラエズ・マチャドの上位陣がことごとく抑えこまれていた。カブスの二遊間の固さも光ったねえ。
スモールベースボールへの回帰
今年のパドレスは謎にスモールベースボールに回帰していた。
これは明らかにチーム方針としてやっていたと思われる。打撃は逆方向狙いで、バントも多用。ペトコパークだとこのスモールベースボール戦略はなんか上手くいった。プロ野球見てるのかと思うぐらい送りバントするのでビビった。
ペトコパークはホームラン出にくい球場らしく、外野が広めで風の影響があって投手有利らしい。
ただこのスモールベースボール戦略、来季からはやめて欲しいなあというのが正直なところ。見てておもんないわ。
あと戦略的なところでも、ビジター・ポストシーズンで勝てないわ。結局ドジャースが証明したけど、先発が良くて、長打力があるチームが強い。スモールベースボールは弱者の戦術としてはアリで、たとえばチーム力が明らかに劣って、普通に戦ったら最下位になるチームは、バント戦術でコツコツ点取って……はいいと思う。ただパドレス本当はもっと打てるタレントがそろってると思うので、ガンガン振っていって欲しい。正直それを見たい。
タティスJr.の元気のなさ
シーズン中盤ぐらいから、タティスJr.が元気ないのが気になった。
開幕時はとんでもない活躍で、オフェンスに守備に大活躍して、更にホームスチールまで決めたときは今年はとんでもない成績になるぞ、と思った。そして今年は短期離脱がちょいちょいあっただけで、シーズン通して大きなケガがなかったのも良かった。
けれど5月ぐらいにはスランプに陥って、そこからなかなか抜けられないまま、シーズンを終えてしまったという印象。守備は一貫して良くて、ここぞというときのホームランキャッチなど、存在感は示してくれたけど、やはり打席の元気のなさが気にかかる。ストライク見逃して、ボール球をチェイスして簡単に追いこまれて、あっさり三振みたいなシーンをよく見た。
もしタティスの状態が去年ぐらいまで上がってたら、少なくとも地区優勝くらいはできただろう。
ただタティスを下げて、上げられる選手がいるのかという問題もある。選手層がとにかく薄い。なにせトレードデッドラインまで、レフトに安定して置ける外野手がいなかったぐらいの層の薄さだからね。
日本人選手の状況
今年のダルビッシュは、2024年のポストシーズンの快投があったので、期待してたけど、肘のコンディション不良で出遅れた上に、結局あんまり状態が上がらないままごまかしごまかし投げてたシーズンだった。ただそのごまかし方も、突然サイドスローで投げるというもので、やはりピッチャーとしての器用さは健在で、見ていて面白かった。なんかなー、一球一球はすごい球いってても、簡単にホームラン打たれるのが見てて気になった。
松井裕樹は今シーズン見てて、ちょっと苦しいなと思った。一応シーズン故障なく稼働し続けたという点は偉いけど、敗戦処理で登板して四球連発やあっさりホームランで、ちょいちょい失点していくので、パドレスのブルペンが盤石で入る隙がないというよりかは、今年に関しては投球内容自体が厳しいという評価になってしまう。ただまあ左ピッチャーなんで、仮にパドレスが契約切っても需要はあると思う。なんか一皮剥けて欲しい。ドジャースとの故意四球連発試合になったときに、退場したスアレスに変わって松井裕樹がマウンドに立って、ど真ん中投げて空振り奪ってセーブついたときは、なんか殻を破れるタイミングかなと思ったんだけど、あんまり変わらなかった。
MLB.TVサイコー。英語の上達は?
来年はどうなるんだろうな。とりあえずシルト監督は退任するらしいので、まずは後任が誰になるか。あとダルビッシュはそろそろ引退してもおかしくない状況なので、来季もやるのかどうするのか。
そういえばシーズン序盤はSPOTV NOWでメジャー見てたんだけど、6月にMLB.TVのセールがあったので、そのタイミングで切り替えた。年間サブスクリプションが60ドル、今の為替レート(1ドル150円)なら9,000円。これで30球団全試合見放題なので、めちゃくちゃ安い。通常料金が150ドルなので、150ドルだとちょっとためらってしまうけども、60ドルはさすがに即決。
SPOTV NOWのあのB級感のある実況・解説も好きなんだけど、MLB.TVで見ると、現地実況・解説が聞けるので、そこの良さがある。SPOTV NOWも現地実況・解説の切り替えしてくれたら嬉しいんだけど……
特にパドレスの実況のドン・オルシロと解説のマークのコンビの掛け合いは普通に面白いので、見れて良かった。あとMLBのすごいのは、ビジター戦であっても、パドレスの実況解説があるとこで、MLB.TV上で切り替えることができる。後半は敢えてパドレスサイドの実況じゃなくて、敵チームの実況にしてみて、雰囲気の違いを楽しんだりしてた。オルシロさんの実況聞いて、「メジャーの実況ってあんま試合の話せずに雑談多めにするんだなあ」などと思っていたが、他球団聞くと全然そんなことなくて、パドレスがおかしいだけだった。
英語の勉強にもなる、と思いながら聞いてたけど、勉強になっているのかは謎。Swing and a missとかa bottom of the 9thとか、そんなよく出てくる野球用語は覚えた。スポーツの話題だから、内容は複雑じゃないんだけど、それ故にネイティブのちょっとヤンチャな読み方されると全然聞き取れないことが多かった。課題はリンキングなのか。Swing and a missもむずいんだよな。音だけで聞くと、Swinging a missとしか聞こえない。下記のどれが正しいかと問われたらわかんなくなる。
- Swinging a miss
- Swing and a miss
- Swinging and miss
- Swinging and a miss
パドレスの試合後インタビューなどが流れてるYouTubeチャンネルも見たりしてたんだけど、こっちになるともっと聞き取れなくなる。字幕有効にして、何言ってるか確認すると全然難しいこと言ってないんだけど、純粋に聞き取れない。
このチャンネルのマーティーさんが何者で、なんでこのチャンネルやってんのかもよくわからない。球団公式なのか、どういう立場なのか。でもパドレスのインタビュー動画ってこのチャンネルぐらいしか上げてない気がする。
ダルビッシュが通訳の人に上手く言いたいこと伝えてもらえなかったから直で説明してるインタビューとかもあって、これはちょっと面白かった。
この試合のちょい前に、アストロズのバルデスがキャッチャーが変化球要求してるのに思いっきりフォーシーム投げて危なくて、ただ投げミスした後の態度的に、それがただのサイン違いなのか、キャッチャーに悪意があったのかでちょっと騒動になったんだけども、たぶん通訳の方はその事件知らなかったんだろうね。ダルのインタビューは英語で聞いて、日本語で答えて、通訳してもらうスタイルなのも独特。
生活が破壊されるから来年はもうちょっと穏やかにしたい
今年は夏頃は、朝起きてメジャー見て、夜はプロ野球見るというルーティンになっていて、一番ヤバい日だと7時開始(東地区の球場)のパドレス戦を見て、11時開始(西地区の球場)のドジャース戦見て、18時になったら楽天戦みたいなことがあった。無職だったから良かったけど、さすがに生活が破壊されてしまうなと思った。
あと8月にドジャーススタジアムとペトコパーク行ったときに、ナイターでパドレス戦見れるっていうのに感動してしまった。ビール飲みながら観戦できる。現地の観戦体験が全然違うのはともかく、ホテルで試合を見ているときでも、全然感覚が違った。さすがに日本で朝5時とか11時とかからビール飲んでウオ〜とはならないので、海外スポーツ応援っていうのはどこまで行っても異邦人なんだなと思ったり。
何はともあれ、2025年もアツい試合をありがとうございました。
(了)
