34歳になった

2024年をもって、34歳になった。

2020年がコロナ流行の年で、そっから人生の連続性が断絶していて、あまり年齢というものを意識しなかったので、本当に34歳というのが突然カウントアップされたような感覚で、自分の中で衝撃だった。

満29歳の年ではじめての転職をして、そっからアメリカ流の年齢を気にしない思考になったのと、リモートワークで世間から切り離された生活をしていて、本気で他人と比べなくなったのもあるだろう。

思考の整理で、色々書いてこうと思う。

孤独感とTwitterの喪失

今年はとにかく孤独感が強くなるときがあった。独身中年が狂うという話題が何回かバズってたけど、自分もそこに片足つっこんでるなあと思った。

そして孤独感を強めるのに一役買ったのが、Twitterが失われてしまったことだと思う。

SNSは近年特に問題になっていて、2010年代と比べると、2020年代のSNSはきちんと社会悪として成熟したと感じる。俺が学生のときも確かに無法地帯だったが、SNS自体の影響力は今と比べると大したものではなかった。今は影響力が大きくなりすぎた。兵庫県知事選とアメリカ大統領選挙は特にSNSの害悪っぷりを感じさせた。

特にTwitterは、元々よくないプラットフォームだったが、イーロン・マスク以前は一応健全なプラットフォームにするための方針を取っていた。それが完全に攻撃性特化で、分断を煽るものになった。俺がTwitterで伸びるツイートをすると、Twitterの利益になると思うと、投稿したくなくなった。

イーロン・マスク以前にも、覚えている限りでは東日本大震災・池袋の事故・コロナのときに「おかしくなる人間」が現れて、タイムラインが荒れた時期はあった。それに関してはフォローを外して、健全なタイムラインを保つ努力をすればよかったが、今は発狂してるアカウントだけが流れる仕組みになってしまった。

「ゆるくつながる」という、かつてできたことができなくなった。

これは俺のようにインターネットでアウトプットしてる人間にとっては切実な問題で、現在進行形で困っている。

情報収集の面で、どうしても情報量が少なく、また遅いなと感じる。今の情報ソースは下記の3つだけど、どうしても足りない。

  • Google News
  • 社内Slack

あと面白くないなー。人ベースのキュレーションの方がだいぶマシ。

コミュニケーションが破壊されたのも、じわじわ効いてる気がする。積極的なTwitter利用をやめて、なるべく長文書く習慣をつけたけど、「これ短文で書いた方がウケるよな」というときはそこそこある。

成果を残せなかった

世の中の変化はどうしようもない。

自分の成果について。

30-34歳のところでなんかもうちょいデカい成果を残したかったなーと思う。ここでなんかできてたら、全然違ったんだろうな。

エンジニアキャリア的には全然悲観してなくて、メインジョブはずっといい感じ。もちろんもっとできるようになりたいことは種々あるけども、とりあえずいい感じでやれてて、評価もそれなり。

でも成果を残せなかった感覚はあって、ここでいう成果ってなんだろうな。

なんでもいいんだけど、なんか創作活動で認められたいのかな。

この3年ほど、自由に色々手出して、つくって、投げてを繰り返していた。その中で偶然伸びたものがあれば、それに注力できたんだけど、どれも不発だった。この一連の中でなんか芽が出れば良かったんだろうけども。

なんでこんなに仕事だけはずっと順調で、他は芽が出ないんだろうと長いこと思ってたけど、この前読んだ作家の記事がアンサーになっていた。

僕から言えば、小説の1行目を実際書き始めて、最後まで書き終えられるだけでまず向いています。すでにもう小説家です。ただ、難しいのは、1万人のサラリーマンがいたとして、順位をつけたとします。最下位のサラリーマンにも仕事はあるんですよ。でも、芸術は1位にしか仕事が来ない。
芥川賞・朝比奈秋さん 小説病に憑りつかれ、勤務医を辞め無職に。「作家にはならせてくれよ」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。(特別版)|好書好日

芥川賞・朝比奈秋さん 小説病に憑りつかれ、勤務医を辞め無職に。「作家にはならせてくれよ」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。(特別版)|好書好日

人気連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」の特別版として、「サンショウウオの四十九日」で芥川賞を受賞した朝比奈秋さんにインタビューしました。35歳のある日、小説に憑りつかれたという体験を振り返ります。

https://book.asahi.com/article/15457308

俺はずっと小説に関しては、「客が一人しかいないラーメン屋に腕組みした店員が千人いる」状態と思ってる。音楽とか動画とかはもうちょい需要があるのと、なんやかんや技術必要だからそのハードルがあって、少しだけ需給バランスはマシだと思う。マンガ業界もちょっと小説に近くなってきてるかな。

能力とかコンディションとかはめっちゃいい

コミュニケーションとか成果とかについてはネガティブだけど、今自分自身の能力はめちゃくちゃ良くて、やりたいと思ったことがだいたいできるみたいな状態ではある。足りないのは英語ぐらい?

あと健康状態も相当いい。2020年ぐらいから取り組みはじめた健康改善の取り組みが身を結んで、本当にコンディションがいい。

色々もっとできる、って感覚がずっとある。ちょっと2024年はエネルギーを持て余した。年齢的にも、ぼちぼち何か成果を残せないと、このまま人生が終わってしまう気がする。

なんらかのつくり手でありたい、という思いは強く、つくり手としてのキャリアを考えた場合、おっきい業績を残せないと、プレイヤーとして生き残り続けることは苦しいと思う。

あらためて自分のつくってきたものをふりかえったとき、特に2024年はビミョい。2023年もイマイチで、Apple Watchのアプリ2つ個人開発してお茶を濁したけど、ホントにそれだけって感じ。

そういう意味では2022年から、ずっと停滞してたんだよなあ。停滞を打破したくて、色々手を出していたが、結果は出ずという感じ。というかそういう方針でやってなかったし。まずは自己満足できるようなとこまで行けばいいかなという方針で……

停滞してる、というのに気づけただけでも進歩なのかもしれない。

日本の世代交代

話は変わる。

今年は有名人の訃報が多かったけど、年齢考えたらそらそうで、ナベツネとか90歳超えで、冷静に考えたら平均寿命を超えている。

2023年の日本の平均寿命は男性81歳、女性87歳らしい。恐ろしいことに平均値だ。寿命の伸びはさすがにこの辺でピークだと思うけど、出生率は予想より下回り続けるので、人口ピラミッドは俺の学生時代に予測されてた形にだいたいなりそう。

色んな業界で世代交代が進んでいる。「なし崩し的な世代交代」という印象で、これからの日本ってこんな風に世代交代してくんだなという印象。上は全然引退せずに権力にしがみつくが、健康問題で最後に退場して、そのタイミングで世代ジャンプが発生して、大きく変化する。就職氷河期はほぼ飛ばされる世代になりそう。

日本に限らず、アメリカの政治も相当な老々政治になっていて、先進国はそんなもんなのかもしれない。

やりたかったことをやり尽くしたのかも

これから何やりたいかをゼロベースに考えたけど、案外なんもないことに気づいた。

たとえば「仕事半年辞めて好きなことしましょう!何します?」というシチュエーションになっても、今なんかホントにしたいことないかもしれない。昔だったら日本一周したいとか、小説ずっと書いてたいとか、色々思い浮かぶことあったんだけど、マジでない。

2020年からのフルリモート生活が、丸々4年になる。可処分時間はめちゃくちゃ多くなって、そこで試してみたいことは全部やっちゃったかも。

かつてぼんやりと夢想してた、「新しい電子書籍サービスつくって流行らせたい」という気持ちも、それに近い仕事をすることで、ほぼ折り合いがつけられたというか、現実が見えたような気がする。

めちゃくちゃ金稼ぐっていうんだったら、副業受けまくって回せば1,000万ぐらいは稼げる気はする。そうすれば汗水垂らして働いてる感はあるかもしれないけど、そういうんでもない気がする。

来年何するか、ちょっと考えます。

(了)