東日本大震災後のドル円相場まとめ(2011.3.14~2011.3.18)

今回の地震の為替相場の動きというのは、大変興味深いものだった。

(被災した方々には申し訳ないが)

通常、災害が起きた国の通貨というのは、大幅に下落するのがほとんどだ。短期の為替レートは需要(買い)と供給(売り)で決まる。需要>供給だと値上がり、需要<供給だと値上がりという割と単純な仕組み。

災害が起こると、何が起こるかわからないので、その国の通貨が紙きれになるかもしれない、そこまでいかなくても、価値が下がるかもしれない→早目に手放そうということで、売りが優勢になって、大体通貨価値は下落する。

ところが今回の地震では円が地震で急上昇した。

今回の記事はそのことに関する記録。

簡単にまとめると、このチャートが今回ドル円相場に起こったすべてを表している。

タイムテーブル

2011年3月11日午後2時46分に東日本大震災発生。

地震発生直後は売りが優勢になり、83円台まで円安に。

ところが83円を天井に、緩やかに上昇していく。

3月17日午前5時〜6時くらい(日本時間)にヘッジファンドの大量円買いが発生。円が急上昇し、76.25円に。(ポイント1)

(FXのロンガー大量死亡)

3月18日早朝のG7で協調介入の合意(※1)

3月18日午前9時頃、介入実施。82円台突破。(ポイント2)(※2) その後も円高圧力はとまらず、結局81円台まで戻す。

すごい相場で、僕も為替相場の観察なんかはじめて日が浅いけれど、こんなに動くなんてと楽しかった。後初めてドルを買った。17日の朝に78.9円で買って、円高圧力が恐ろしく、また介入はまだないだろうと踏んだので、+1,200で売った。そしたら介入して、後悔した。自分を信じるべきだったんだけど、はじめてのFXで冷静な判断ができなかった。

最後に、ヘッジファンドによる円の高騰と、介入による下落がいかにすさまじかったかを示すチャートを示して終わる。

60分足なんだけど、青でぎゅーんってなってるのがポイント1。

赤でぎゅーんってなってるのがポイント2。

これは60分足だけど、実際のG7の協調介入は5分で1円下落、30分で更に1円下落して2円下落

という一瞬の出来事だった。

ヘッジファンドはもっとすさまじく、10分間というわずかな時間で2円上昇させてる。

(※1)「日米欧、円高阻止へ協調介入 G7緊急電話会議で合意」(朝日新聞) 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁による緊急の電話会議が18日朝、開かれた。東日本大震災と福島原発事故の影響による急激な円高を阻止するため、日米欧などの通貨当局が協調して為替市場に介入することで合意した。午前9時に日本が為替介入を実施し、各国も市場が開きしだい、為替市場に順次介入する。 協調介入に参加するのは日本、米国、英国、カナダ、欧州の通貨当局。参加各国が市場で円を売ってドルを買う。昨年9月に日本が単独で円売りドル買い介入をした場合よりも、市場を動かす効果は大きい。 協調介入は日米欧当局が協力してユーロ買いをした2000年9月以来。円高阻止では、日米独の通貨当局が協調介入した1995年8月以来となる。 野田佳彦財務相は会議終了後、財務省で記者団に「日本での悲劇的なできごとに関連した円相場の最近の動きへの対応として、日本当局からの要請に基づき、米国、英国、カナダ当局及び欧州中央銀行は、本日、日本とともに為替市場における協調介入に参加することで合意した。我が国が困難な状況にあるいま、G7当局が連帯して市場の安定に向け、協調することの意義は極めて大きい」と述べた。 日本銀行の白川方明(まさあき)総裁も「各国との協調行動が、為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待する。日本銀行は強力な金融緩和を推進するとともに、金融市場の安定を確保するために、今後とも潤沢な資金供給を行っていく」と述べた。 電話会議は、震災をきっかけとした日本の株安や円相場の混乱が世界の金融市場に広がるのを防ぐため、G7の今年の議長国を務めるフランスのラガルド財務相が開催を呼びかけた。日本からは野田氏と白川氏が参加した。 声明には「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与える。我々は、為替市場をよく注視し、適切に協力する」との文言も盛り込んだ。 協調介入の合意を受けて、東京外為市場では、1ドル=81円台まで円安が進み、東証株式市場でも、日経平均株価が一時、前日終値より290円超、上昇した。

(※2)「G7が10年半ぶり協調介入 日銀、即座に円売り実施」(日経新聞) 日米欧の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は18日朝に開いた電話会議で、外国為替市場への協調介入を実施し、円高を阻止することで合意した。東日本巨大地震や原子力発電所事故の影響を受けた急激な円相場の変動に対応する。政府・日銀は合意を受け、同日午前9時から即座に円売り・ドル買い介入に踏み切った。各国がそれぞれの市場で介入を断続的に実施する。東京外国為替市場では介入実施後に円相場が1ドル=81円台半ばまで大幅に下落した。 「G7連帯の意義は大きい」。野田財務相(左)、白川日銀総裁が協調介入で会見 協調介入は日本が要請した。G7による協調介入は2000年9月にユーロ安を阻止する目的で実施して以来、約10年半ぶりとなる。日米欧の通貨当局が連携してそれぞれの市場で円・ドル相場を対象に独自に実施する。米欧は00年以降、市場介入をやめていたが為替政策の方針を大きく転換する。日本の為替介入は昨年9月に単独で実施して以来、約半年ぶり。 G7は電話会議後に緊急声明を公表。「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に悪影響を与える」と協調介入に踏み切った理由を説明。米国、欧州中央銀行(ECB)、英国、カナダが「日本とともに為替市場における協調介入に参加する」と明記した。 電話会議は主要8カ国(G8)首脳会議の議長国を務めるフランスの呼び掛けで開催。日本時間の午前7時すぎから約2時間にわたって開かれた。日本から野田佳彦財務相と白川方明日銀総裁が参加。財務相と日銀総裁は会議終了後、記者会見し、協調介入の合意を受けて、政府・日銀が東京市場で午前9時から介入を開始したことを表明した。 外国為替市場では日本の巨大地震や原発事故を受けて、投機的な円買い・ドル売りが加速。円は日本時間17日早朝に海外市場で一時、1ドル=76円25銭と対ドルでの過去最高値をつけるなど、為替相場の不安定さが増していた。G7は協調介入に踏み切ることで、投機的な売買を封じ、円高を阻止。日本の復旧・復興を側面支援するとともに、国際的な経済・金融の不安定化への波及を防ぐ狙いだ。 為替市場を巡っては、米欧と新興国で構成する主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央総裁会議が昨年秋以降、共同声明で、日米欧の先進国が為替相場の「過度の変動を監視」すると明記。今回の協調介入はこの合意に沿ったものだ。 米国は00年9月の日米欧協調介入を最後に市場介入を停止。欧州も00年11月を最後に市場介入をやめていた。日本を襲った未曽有の災害への対応という「危機対応」ではあるものの、今回の協調介入で、これまでの為替政策のスタンスが大きく変わることとなる。

(了)